プロ野球日本シリーズは11月5日、第7戦を阪神タイガースが7-1でオリックス・バファローズを破り、38年ぶりの日本一を決めた。

先発は宮城×青柳

オリックスは第2戦で阪神打線を無失点に抑えた宮城大弥投手、阪神はシリーズ初先発の青柳晃洋投手が先発した。

阪神は、4回表にランナー2人を置いて、前日に先制ホームランを放ったノイジーが、レフトスタンドに飛び込む3ランホームラン。この日も頼れる助っ人の1発で阪神が先制する。

クリーンナップの集中打 一挙に6-0

続く5回も、阪神打線が止まらない。坂本、近本の連続安打で1死一二塁とすると、続く中野の打球は、6-4-3のダブルプレーコース。審判は一塁アウトを告げるも、岡田監督が即座にリクエスト。ビデオ判定の結果、一塁の判定が覆り、中野がセーフ。ここで中嶋監督が、先発の宮城を諦め、ベテランの比嘉をマウンドに送り込む。

結果、このセーフが大きかった。

2死一三塁から、3番の森下翔太がレフトにタイムリーツーベースヒットで一人が生還。4-0

続く4番の大山がショートを襲う内野安打、必死で一塁に走りセーフ。5-0

さらにノイジーがセンター前にタイムリーできょう4打点目。6-0

あれよあれよのうちに、阪神が集中打で5回の表6-0にリードを広げた。

青柳が抜群の出来でマウンドを降りる

5回裏、反撃に出たいオリックスは下位打線が奮起。野口と福田の連続ヒットで、一二塁のチャンスを迎える。

阪神の先発青柳は、続く1番の中川圭太を抑えたところ、4回と2/3、被安打4、無失点でマウンドを降りた。あとをつないだ島本がきっちり宗を抑えて、5回が終わり、阪神6-0のリード。SNSでは青柳を称賛する「ありがとう」「ナイピでした」「完璧よ」などの声があふれた。

6回表、オリックスの3人目の投手、小木田がランナー2人を出すも要所を締め、味方の反撃を待つ。

6回裏、阪神の3人目の投手は第3戦で先発し負け投手となった伊藤将司がマウンドに上がった。まさに両チーム総力戦だ。伊藤はポンポンとアウト2つを取り、前回HRを浴びた頓宮裕真との勝負。

その頓宮の打球は、勢いよくバックスクリーン方向へ伸びていくが、センターが下がって捕球。伊藤は前回対戦のリベンジを果たした。

大阪・ミナミの戎橋には、すこしずつ阪神ファンが集まってきた。すでに橋の上には警察官が等間隔に並び、橋の上に人がたまらないように誘導している。

あるファンにここまでの試合経過の感想を聞くと、「うれしいですが、ぬか喜びは嫌、気を抜かずに応援する」と、阪神ファンらしいコメントを残した。38年ぶりの日本一へ、残り3回。

投手陣の集大成 オリックスは宇田川、山崎颯が阪神打線抑える 阪神は伊藤将が3イニング「完璧」

7回表。6点を追いかける展開の中でマウンドに宇田川を送り込む。先ほど3連続タイムリーを放った阪神タイガースのクリーンナップを相手に、宇田川は期待に応え三者凡退とする。8回表は、宇田川に続いて山崎颯一郎がマウンドへ。山崎は糸原、佐藤を抑え、木浪には三遊間を破るヒットを打たれるが、その後を三振にとり、無失点に抑えた。

いっぽう阪神は、3人目の伊藤将が7回裏もマウンドに上がって、ゴンザレスを三振、杉本をキャッチャーフライ、野口をサードゴロ。6回に続いて三者凡退に抑えた。伊藤は3イニング目となる8回裏のマウンドにも上がった。

先頭の福田にヒットを打たれるも、続く中川を投ゴロのダブルプレー。3イニングをパーフェクトに抑えた。

9回表。阪神は近本のヒットを足掛かりに、オリックス東を攻め、3番の森下がセンターへタイムリーヒット。森下は、新人選手として日本シリーズ最多となる打点(7点目)を記録した。

9回のマウンドは桐敷 そして2死で岩崎へ

岡田監督が9回のマウンドに送ったのは背番号47、24歳の桐敷拓馬投手だった。

桐敷は、先頭の紅林にヒットを打たれるも、森をセカンドゴロダブルプレーに打ち取る。

そして2死。ここで岡田監督が動く、守護神の岩崎優がマウンドに姿を見せた。ここで、頓宮が意地の一発!レフトスタンドにホームランを叩き込んだ。続くゴンザレスもセンター前へ、去年の覇者・オリックスもあきらめない。

しかし岩崎はついに杉本を打ち取り、阪神タイガースは「暗黒時代」を経て38年ぶりの日本一となった。