バスケットボールのB.LEAGUEが、大詰めを迎えている。「B1リーグ」は年間王者を決めるチャンピオンシップ進出の8チームが確定。一方で残り4試合、残留に向けて、現在22位の滋賀レイクス、23位の富山グラウジーズ、24位の新潟アルビレックスBBによる、2チーム降格の激しいサバイバルマッチが予想されている。

ひとつ下のカテゴリーの「B2リーグ」はレギュラーシーズンの全日程が終了。いよいよB1昇格に向けての、プレーオフがはじまる。8チームが、2つの椅子を目指して争われるプレーオフに、関西地区のチームから駒を進めたのが、西宮ストークスだ。

ホームの西宮市立中央体育館で行われた最終節。福島ファイヤーボンズ相手に第1戦で勝利。東地区の3位でのプレーオフ進出を決めた。これで3年連続のプレーオフ進出、しかし過去2年は、いずれも準々決勝で敗れている。

特に一昨年は、全体2位、西地区1位で進出しながら、仙台89ERSの前に敗退。第1戦で試合終了間際に、逆転のブザービーターを許すまさかの結末。コロナ禍、無観客での開催になり、ホームのアドバンテージを活かすことが出来なかったことが、大きく響いた。

そのストークスは、2025年に完成予定の神戸アリーナでの開催を視野に、来シーズンからは、神戸への本拠地移転が予定されている。それだけに、「西宮ラストイヤー」の今年にかける思いは強い。

チーム一筋の12年目。西宮で酸いも甘いも経験してきたガードの道原紀晃選手は「この体育館でずっと戦ってきたので、(正直)寂しい気持ちもある。平日でも、たくさんのお客さんが来てくださるようになり、ストークスとしても成長したなと感じている。(シーズンは、なかなか勝てずに苦しんだが)最後に結果がでれば、みんながハッピーだと思うので、ここからは昇格だけを意識して、最後の勝負をしたい。」と語った。

レギュラーシーズンは29勝31敗。B2リーグでは初めての負け越しに終わったが、森山知弘ヘッドコーチも手ごたえを口にした。「シーズン終盤は、(プレーオフを見据えて)、引き出しを増やすためにも、いろいろ試してきた。その中で一番純度の濃い、一番強いところで臨みたい。自分たちのスタイルをどれだけ磨けるかだと思っている。試合を重ねるにつれて、すごくいいチームになってきた。」

「今まで磨いてきたものを、しっかり出せれば、どこのチームも、(ストークスを)怖いと思う。どんなチームが相手だとしても、勝てる力は十分ある。」と道原選手。プレーオフ、クオーターファイナルの相手は、東地区2位の越谷アルファーズだ。

5月5日から始まる、文字どおり昇格をかけた順位決定戦。西宮ストークス、最後の奮闘から目が離せない。

MBSスポーツ解説委員 宮前徳弘