【阪神1-1ヤクルト(延長12回引き分け)】

 4月9日、快晴の甲子園。勝てば首位浮上となる大事な一戦の先発は、先週に続き中6日の才木。1勝目を挙げた前回登板の勢いそのままに、1回から3者連続三振の完璧な立ち上がり。150キロを超えるストレートと鋭く落ちるフォークを主体に3回までアウト9個のうち8個を三振で奪う圧巻のピッチング。

 一方、打線は前日までのヤクルト戦2試合で合計2得点と元気がなく、この日もヤクルト先発のルーキー・吉村の前に3回ウラの1得点のみに抑え込まれる苦しい展開。

 先発の才木は4回以降何度も得点圏にランナーを背負いながら、要所を締めるピッチングで6回まで無失点投球を続けていたが、迎えた7回表、1アウトから6番・中村にライト前ヒットを許し、続くサンタナにフォアボールを与え1アウト2塁・1塁のピンチを招くと、8番・長岡を打ち取り2アウト2塁・1塁となったところで、ヤクルトは代打の切り札・川端を投入。2ボール1ストライクからの4球目にキャッチャー・梅野のサインに首を振り投じたストレートを捉えられ、ライト線にタイムリーツーベースを浴び同点に追いつかれてしまう。才木は後続を断ち逆転は許さず、7回11奪三振1失点で降板となった。

 才木は「何度かあったピンチも切り抜けて、回を重ねても力強いボールを投げることができていました。調子自体もよかっただけに、カウント負けしてしまい失点を許してしまった7回の投球が悔しいです」と登板を振り返った。

 才木の好投に応えたい阪神打線だったが、7回以降再三チャンスを作りながらもあと1本が出ず、延長戦にもつれた末、お互いに決勝打は生まれず引き分けでゲームセット。

 両チームともチャンスでクリーンアップにあと1本が出ないもどかしい試合だった。試合後、岡田監督は「やっぱり、打つべき人が打たんと、試合というのはいい流れにならんよ、それは」と振り返り、この日3三振の佐藤輝については「見ての通りよ、そら。結果が出ないんやからさあ」と話し、「渡辺(諒)がいないんよ」と、発熱で離脱中の新戦力がいれば佐藤を外す可能性があったことを示唆した。

 それでもこの日スタメンの木浪が3安打を放ったことや、才木の後を受けたリリーフ陣が点を与えなかったことはチームにとって好材料なだけに、指揮官に落胆の様子や焦りの表情は見られなかった。次戦は東京ドームに移り宿敵・巨人との伝統の一戦に挑む。