降りしきる雨の中始まった今年の選抜大会。3月25日は、1回戦16試合が行われました。

 オープニングゲームに登場した近畿大会王者の大阪桐蔭は、関東の実力校、千葉の流通経大柏と対戦。開始4分、スタンドオフの上田倭楓選手が先制のトライを奪うと、その後も安定した試合運び。後半にも着実に得点を加えて20対0。シャットアウト勝ちで2回戦進出です。

 兵庫県勢2校は対照的な結果に。
 関西学院は、北海道代表の札幌山の手と対戦。5点のリードを許した関学、前半終了間際に、スタンドオフ木山鉄平選手のグランダーのキックに反応したフルバックの成田陸選手がトライ。難しいゴールを木山選手がきめて7対5と逆転に成功します。しかし、後半、札幌山の手の圧力の前に10点を許す苦しい展開。終盤追い上げたものの、わずかに及ばず14対15。惜しくも1点差で敗退しました。
 もう1つの代表校、報徳学園は、パワフルな突進が特徴の日本航空石川と対戦。開始3分、報徳らしい速いパス回しから右ウイングの長谷川諒選手がトライ。その後も着実に得点を加え、前半で19対5とリードを奪います。後半にもPGで得点を加えた報徳。日本航空石川の反撃を1トライに抑え、22対12で1回戦突破です。

 激戦地大阪、そして厳しい近畿大会を勝ち抜いて選抜大会出場を手にした大阪の関大北陽は、東京の名門、国学院久我山と対戦。激しい攻防が続いた前半22分、ペナルティーからの早い仕掛けにFW陣が反応。最後はNO8の永井玲雅選手が飛び込んでトライ。ゴールも決めて7点のリードを奪います。しかし、サイドの変わった後半、国学院久我山も反撃。ゴール前のラインアウトからモールを押し込んでトライ。2点差に詰め寄ります。さらに、残り時間も少なくなった後半27分、関大北陽のペナルティーを誘うと、キッカーの長谷川裕太選手がプレッシャーのかかるペナルティーゴールを決めて逆転。劇的な展開で国学院久我山が勝利。関大北陽はあと一歩及びませんでした。

 この春、監督が交代して新たなスタートを切った京都成章は、優勝候補、神奈川の桐蔭学園と対戦。全国大会では幾度も桐蔭学園に煮え湯を飲まされてきた京都成章。この試合も前半から、桐蔭学園の多彩な攻撃を止めることができません。前半で6つのトライを許す苦しい展開。それでも後半11分、相手のミスをついて前進すると、センター田中聖大選手の巧みなランニングからフルバックの堀江佳太選手につないでトライ。7点を返したものの反撃もここまで。61対7の悔しい敗戦、今後の奮起に期待です。

 近畿大会準優勝、大阪の常翔学園は、北海道の函館ラサールと対戦。試合開始から、常翔らしい迫力のある攻撃で相手を圧倒します。前後半合わせて17トライを奪う猛攻。103対0の大勝で、選抜大会2回目の制覇に向けて好発進です。


◎1回戦16試合の結果は、以下の通りです。

 佐賀工 62-0 黒沢尻工
 東海大相模 31-5 名古屋
 中部大春日丘 41-15 東海大福岡
 国学院久我山 8-7 関大北陽
 常翔学園 103-0 函館ラサール
 長崎南山 35-17 東京

 大阪桐蔭 20-0 流通経大柏
 松山聖陵 15-14 秋田中央
 東福岡 43-0 川越東
 高川学園 18-12 秋田工
 国学院栃木 21-19 尾道

 札幌山の手 15-14 関西学院
 報徳学園 22-12 日本航空石川
 茗渓学園 20-12 長崎北陽台
 桐蔭学園 61-7 京都成章
 大分東明 49-0 開志国際