最大震度5弱を観測した石川県の内灘町。被災地では『液状化』とみられる現象が至る所で発生して、道路や建物に甚大な被害をもたらしています。

 一連の地震で最大震度5弱を観測した内灘町。道路が大きく起伏したり、家の塀が傾いたり、大きな被害が出ています。
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 (河田直也アナウンサーリポート)「こちらは神社なんですけど、階段が壁のようになってしまっていますね。ここを歩いてのぼることができません。ひどいありさまです」

 この町で何が起こっていたのでしょうか。
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 地震発生時の映像です。大きな揺れが襲うと、奥の歩道が割れるように浮き上がり、手前の敷地内では地面に亀裂が入ります。すると、どこからともなく濁った泥水が溢れてきます。瞬く間に道路が冠水しました。

 内灘町では至る所で液状化とみられる現象が起きました。水を多く含んだ砂地盤は、砂粒などと、その間を満たす水で、地盤が成り立っています。その砂地盤が地震で強く揺すられると、砂が下に沈む一方で、水が上に上がり、地表が柔らかくなったり水が噴き出したりします。
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 (河田アナ)「ここは舗装された道路なんですけれども、このあたりは土で覆われています。おそらく液状化現象のあとだと思います」
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 内灘町にある建物は、1階部分が地面に埋もれるように沈みこんだり、道路が信号機に手が届きそうな高さまで隆起したりしています。
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 液状化とみられる被害は外から見えない場所にも。内灘町に住む西田豊治さん(75)の自宅を見せてもらいました。

 (西田さん)「家に入ったら気持ち悪くなるわ」
 (河田アナ)「家の中がやっぱり傾いているんですよ。平衡感覚がおかしくなるというか」

 他にも…。

 (河田アナ)「このふすまなんですが、カーブしているのがわかりますかね。おそらく天井がぐっとさがってきて、圧力がかかっている状態だと思います。全然開かないですね」

 そして、廊下に丸いテープを置くと、勢いよく転がっていきました。

 (西田さん)「(廊下の高低差が)20cmあるから」
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 西田さんは、次に大きな地震に襲われると家が崩れるのではないかと心配していて、現在は妻と一緒に、同じ町内に住む息子さんの家に身を寄せています。

 (西田さん)「(Q建物や納屋はどうする?)これは壊すしかない。余震でも来たら大変なことになる。将来はプレハブでも建てて住もうかなと思っている」

 石川県によりますと、内灘町で全壊した家屋の数は「多数」のままで、具体的な被害の把握はまだできていない状況です。