奈良で安倍晋三元総理大臣を殺害した罪などに問われ、勾留中の山上徹也被告のもとに、いわゆる「宗教2世」たちから複数の手紙が届いていることが関係者への取材でわかりました。

 山上徹也被告(43)は去年7月、奈良市内で演説中の安倍元総理を銃撃し、殺害した罪などで起訴されています。

 山上被告は、犯行動機として旧統一協教会への恨みをあげ、警察の取り調べに対し、「母が旧統一教会に多額の献金をしたせいで、難病の兄が十分な治療を受けられず、苦しんで自殺した。私も大学に行くことができなかった」などと供述していました。

山上被告「宗教2世らの境遇」手紙に興味や関心

 現在、山上被告は大阪拘置所に勾留されていますが、関係者によりますと、特定の宗教を信仰する親の元にうまれた子ども、いわゆる「宗教2世」たちから、「親の献金でお金がなくなった」などと、自身の境遇を伝える手紙が複数届いているということです。

 山上被告は、手紙の返事は出していませんが、全部読んでいるということです。手紙の内容には興味や関心を持ち、読んで「心を痛めているようだ」ということです。

 事件を巡っては、今年10月に第一回目の公判前整理手続きが行われました。それ以降の期日や、初公判の時期は明らかになっていません。