自民党安倍派を中心とした政治資金パーティーの問題。長年、「裏金」づくりが脈々と続けられていた疑いが深まっており政権中枢の閣僚や自民党役員の関与が焦点となっている。

そんな中、8日夕方、自民党の大物で国民の支持も高い石破茂衆院議員がMBS「よんチャンTV」に出演し、この問題について語った。番組で語った内容に加え、「派閥」、「岸田政権」そして「石破氏の今後の動き」に絞りまとめる。

「誠実な人が明確に答えなかったのは…何があるんだろう」

8日の衆院予算委員会の集中審議に出席していた石破氏、松野官房長官の答弁の様子について…

石破氏
「私、松野さんという人はよく知っているわけじゃないんですけどね。すごく誠実な人ですよ。真面目な人ですよで、その松野さんがね。ああいう答弁しかできないのはこれ、何があるんだろうなって思いましたよね。だから他の閣僚の人は、もうちょっと明確に答えていたように思うんですねで。だから西村さんも聞かれてましたよね。今日でだから松野さんだけが歯切れが悪いっていうか、明確に答えなかったのはこの人何があるんだろうって。人間的にはね。松野さんって誠実な人だと思ってるだけに、ちょっと違和感がありましたけどね。その本人だけの問題じゃなくて、誰かに波及することを心配してるのか、何なのかそこがね全然わからないですよね」

この問題の根深さは政権中枢、与党幹部の関与があるのではとされる点だ。松野官房長官は、政府の立場にあることを理由に毎日の記者会見の場で具体的な説明を行っていない。所属派閥である清和政策研究会(安倍派)で事実確認中だとし、派閥が刑事告発され捜査されていると繰り返すばかりである。「引き続き職責を果たす」という松野長官や、西村経産大臣、高木国対委員長ら歴代安倍派の事務総長らの進退含めて注目されている。

「パーティー自体必要」「出と入りはっきりしてれば、それでいいだけの話」

疑惑が深まるばかりなのだが、石破氏は政治資金を集めるパーティー自体は必要だとし、そのお金の管理をきちんとすることが求められていると話す。

石破氏
「ノルマとかね、キックバックとか裏金とか言うとすごいネガティブな響きがあるんですけどね。やっぱりその派閥としてみんなが資金を潤沢に持っているわけじゃないんで。(お金の)出と入りがはっきりしてれば、それでいいだけの話なんですよ。要はたくさんお金を、パーティー券を買った人の言うことを聞くような、そんな政治してませんよねっていうことと、誰がお金出してますかってことがはっきりしてる。そしてそれが政治活動費に使われているってことさえはっきりしてればね。何もそのパーティーって違法な行為してるわけじゃないって」
   
自民党における派閥は政策集団というと聞こえはいいが、ポスト配分、選挙活動支援、そして集金システムとして機能していて、その問題点はかねてから指摘されている。石破氏はかつて幹事長時代に脱派閥を唱えていた。一度は無派閥議員を束ねる形で水月会という派閥を形成するも2021年に緩やかな議員グループ(石破グループ)へと組織形態を変えてもいる。そんな石破氏だが意外にも派閥が持つ本来の役割は評価した。

石破氏
「やっぱりその派閥で5年先、10年先、50年先のこと、考えようっていう政策の勉強をするのは大事なことです。そして同じ思いを持った人たちがみんながみんな選挙に強いわけじゃないんで、選挙にあんまり強くない人のとこに応援に行こうね、お互い助け合おうねってのも大事なことですよ。党がみんな面倒を見てくれるわけじゃないんだから。だからそういう意味での派閥はあっていいだけども、そこのお金がどっから入ってどこに出ているのだか全然わかりません。あんまり政策の勉強もしていませんということになるとこれ何なんだろうねって人が思う。だから人がそう思わないように私たちは努力します」

「人気悪くなると『おれ知らねえ』『やめろ、やめろ』」

12月13日には臨時国会は閉会する予定だ。関係者の聴取など今後捜査の本格化が予想され、永田町では小幅にせよ内閣改造は避けられないのではないかとの声も囁かれている。そんな今の自民党内の空気を聞くと・・・

石破氏
「衆議院本会議場、参議院本会議場で岸田文雄と書いた人、みんな席にいるんでしょう。なんだか、人気が悪くなるとおれ知らねえ、岸田さんダメだなんですもん。あんまりいいことじゃないですね。こういう時になるとね。なんか突然さ、おととしの菅さんの時もそうだったけど、やめろ、やめろみたいな。私は今非常に不愉快。でもそういう人が増えましたね。ああ、自分だけは助かりたいって人が」

出演終了後、政権入りの声がかかることもあるのではと水を向けると、「いまそんな個人のことをどうこう言う時期ではないですよ」とした石破氏、いずれにせよ、師走に入り、政界の緊張は一気に高まっている。