11月26日、京都の南座では、年末恒例の吉例顔見世興行を前に、歌舞伎俳優の名前が書かれた看板を飾る「まねき上げ」が行われました。

 南座の正面にヒノキの看板が掲げられます。丸みを帯びた隙間が少ない「勘亭流」という書体で書かれていて、「客席が隙間なく埋まるように」という願いが込められています。

吉例顔見世興行は東西の人気歌舞伎俳優が一堂に会する恒例行事で、今年は十三代目市川團十郎白猿さんが襲名披露し、長男の八代目市川新之助さんが初舞台を踏みます。その舞台に長女の市川ぼたんさんも出演することになりました。

(十三代目市川團十郎白猿さん)「皆様お寒い中、ありがとうございます。私このたび、團十郎という名前になりまして、吉例顔見世興行の南座にはじめて襲名披露でお邪魔させていただきます。團十郎という「まねき」も父が最後に10年ほど前にあげて以来久々に上がるということと、また見上げるとまねきの量が多いと思うのですが、72枚あるそうで、これは昭和44年以来、54年ぶりに多くの歌舞伎俳優がこの度の顔見世に出演するという、大変歌舞伎界にとっても大変華やかな興行となる次第でございます。ぜひお友達やご家族を連れて南座で襲名披露をごらんいただきたいと思います」

ぼたんさん「ぼたんのまねきが上がることは誇り」

(長女の四代目市川ぼたんさん)「本日は朝早くからお集まりいただき、まことにありがとうございます、市川ぼたんです。今回、父と弟の襲名披露、吉例顔見世興行にわたくしぼたんが出演できることをとても嬉しく思います。また、父と弟が舞台に立っていて、「素敵だな」と思い、憧れていた南座に立つことができて本当にうれしいです。さらに、市川ぼたんというまねきがあがることが本当にうれしいですし、それを誇りに思って、父と弟の襲名披露の舞台で一生懸命頑張りたいと思います。」

新之助さん「はじめてまねき上げしていただき、うれしいです」

(長男の八代目市川新之助さん)「きょうはお寒い中、たくさんの方々が集まってくださってありがとうございます、市川新之助という名前になって、初めてまねき上げしていただき、すごくうれしいです。本日はお願いいたします、そして12月の舞台ぜひ見に来てください。ありがとうございました」

 吉例顔見世興行は12月1日からです。