「以下の大阪の地名に、読みがなをつけてください」10月にインターネットで行われた、大阪にある町の知名度調査です。読者のみなさんは、以下の問いにどれくらい正答できますか。

難波(   )→ 正答率98.8%
梅田(   )→ 正答率98.6%
十三(   )→ 正答率92.0%
船場(   )→ 正答率84.6%
放出(   )→ 正答率72.4%
喜連瓜破(   )→ 正答率59.8%
道修町(  )→ 正答率29.1%

それぞれ正解はこちらになります。

難読地名も50%以上の高い正答率

難波( なんば )→ 正答率98.8%
梅田( うめだ )→ 正答率98.6%
十三( じゅうそう )→ 正答率92.0%
船場( せんば )→ 正答率84.6%
放出( はなてん )→ 正答率72.4%
喜連瓜破( きれうりわり )→ 正答率59.8%
道修町( どしょうまち )→ 正答率29.1%

 十三で92%の高正答率、難読地名として知られる「放出(正答率72.4%)」や「喜連瓜破(正答率59.8%)」も半分以上の高い正答率です。この調査は、「大阪府を主に近畿圏に在住する20~69歳の1040人を対象とした調査」とのことで、地元に詳しい方々が回答したとみられますが、そんな中で最低の正答率は「道修町(どしょうまち)」でした。

 しかも調査は、今年で8回目になりますが、道修町は8連続の最下位。正答率は26.7%~30.4%に過ぎません。

 続く調査で「道修町(どしょうまち)」について知っていることを選ぶ項目では、「今も医薬品関連企業が集積(22.6%)」と、「薬の神様、少彦名神社がある(13.6%)」の2項目が、調査以来最も低い数値となったということです。逆に、『道修町について、知っていることはない』という、残念な回答が57.4%と、去年に続いて過去最多を更新しました。

ある意味自虐的?調査したのは老舗の製薬会社だった

 さらに次の調査、「大阪の代表的な産業は?」という項目についても、「町工場(認知度73.3%)」や「家電(認知度59.3%)」の認知度に「製薬」は及ばない結果となりました(認知度51.7%)。この、“ある意味自虐的”な調査をしたのは、地元・道修町に本社を置く田辺三菱製薬です。

 大阪市中央区道修町(どしょうまち)。地下鉄北浜駅に近い、通り沿いの細長い街並みが「くすりの町」となったのは、江戸時代に堺の商人小西吉右衛門が薬種屋を開いたことがきっかけとされ、享保の時代に八代将軍徳川吉宗が道修町にある124軒を株仲間として、「薬の適性検査をし、値段をつけて、全国に売る特権」などを与えたことなどから多くの薬業者が集まり、発展したとされます。(くすりの道修町資料館HPより)

 日本の製薬企業の老舗トップ10のうちの上位5社(田辺三菱製薬、小野薬品工業、武田薬品工業、塩野義製薬、藤沢薬品(現:アステラス)、住友ファーマ)が道修町を発祥とし、現在でも50社近い製薬・医薬品関連企業が道修町に店を構えているそうです。

「残念な調査結果」田辺三菱製薬の広報に聞きました

――放出や喜連瓜破に比べて正答率が低いことについて、地元はどんな受け止めなのでしょう。

(田辺三菱製薬 広報)「かつて、「道修町(どしょうまち)」は誰もが知っている言われるほど、大阪以外の人にも広く知られた、大阪を代表する地域でした。地域が正しく認知されることは、地域社会、ひいては医薬品産業の発展の原点です。」

――「くすりの町」としての認識も低くなっている点についてはいかがでしょうか。

(田辺三菱製薬 広報)「ここ8年の調査結果から、道修町(どしょうまち)を読めない、知らない方が多数を占める状況が続いていることに、道修町(どしょうまち)の構成員の一員として、また日本で最も歴史ある製薬企業として、危機感を覚えると同時に、一層の地域の認知向上の責務を感じています。」

 広報の担当者は、道修町のみならず大阪で活動する製薬企業あげて、認知向上に取り組む必要があると強調しました。

11月22、23日には、地元にある「くすりの神様」少彦名神社で神農祭が開かれます。23日は隣接する御堂筋で、阪神タイガースとオリックスバファローズの優勝記念パレードが重なるため、好機にしたいということです。少彦名神社のシンボルでもある「虎」にちなんだイベントや、甲子園球場を模したフォトスペースも用意して、話題のパインアメも配布して、道修町(どしょうまち)の認知向上をめざした取り組みの一つにしたいということです。