大阪市住吉区の居酒屋「神明」。こちらに“阪神優勝で人生が変わった”という女性がいます。

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 それは、神明永子さん、70歳。11月5日夜、テレビ越しに阪神タイガースを応援していました。

 (神明永子さん)「(Q勝てば38年ぶりの日本一ですが?)吉田監督のときやからね。(Q覚えています?)当然。それがきっかけで結婚したから」

 実は永子さん、1985年に阪神が日本一になったときに…

 (神明永子さん)「『阪神優勝したら結婚するわ』って冗談まぎれに言ったら、『はい!はい!』言うて、10人くらいいたお客さんの中で3人が手をあげた」
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 永子さんが盛雄さんを結婚相手に選んだきっかけというのが、阪神優勝の日に仲間とビールかけをしたとき、ずぶぬれになった永子さんに着替えを持ってきてくれたのが盛雄さんだったからなんです。
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 しかし、2003年。盛雄さんを病魔が襲います。発症者の多くが10日以内に死亡するといわれる「劇症肝炎」。絶望に打ちひしがれていたそのころ、阪神は18年ぶりのリーグ優勝。すると、盛雄さんの体調もそれにあわせて回復していったのです。

 (神明永子さん)「マジックが消えるみたいに1つずつ医療機器がとれていった。(夫は)まだ声が出にくかったけど、『優勝おめでとう』と言ってくれた」
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 その2年後の2005年、阪神リーグ優勝のときは永子さんは球場で、盛雄さんはお店で応援。試合後、永子さんは店に戻って宴会に参加しました。

 (神明永子さん)「今回の優勝が一番うれしいかな。だってお父さん(盛雄さん)がそばにいるから」
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 そのときは、うれしさのあまり結婚のきっかけとなった「ビールかけ」を20年ぶりに行いました。

 ちなみに、永子さんが若いころに好きだった選手は…

 (神明永子さん)「あまりホームランを打たない平田(勝男)さんが、(見にいった試合で)2本打ってる。打つ人も好きやけど、守る人が好き」
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 優勝をきっかけに盛雄さんと結婚して38年。5日夜の試合は「ひ孫」のすみれちゃんといっしょに店で応援。今年9月にリーグ優勝したときは「ビールかけ」ならぬ「炭酸水かけ」をした永子さん。今回は…

 (神明永子さん)「リーグ優勝の時は500ミリリットルの炭酸水を用意したんだけど、すぐなくなっちゃったから、1リットルのペットボトルを、前よりも倍の量を買ってきた。それ全部かけきるまで」

 試合は4回、ノイジー選手が先制のスリーランを放つと店内は大盛り上がり。そして9回、あとアウトひとつで日本一という場面で、岩崎投手が登板。
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 永子さんの目には早くも涙が…。
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 そして、いよいよ歓喜の瞬間。日本一が決まると、店内にいる人々と喜びを分かち合いました。
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 その後、店の外に出て、すぐさま「炭酸水かけ」で日本一を祝います。

 (神明永子さん)「(Qかなりびしょぬれになりましたが?)でもうれしい。38年前はこんな状態になったときに今の夫が着替えを持ってきてくれた。夫と一緒になっていろんな人生を…。(Q今回の日本一で変わることは?)もっともっと大きく育てたい、ひ孫のすみれを。(Q阪神ファンにさせる?)それは当たり前で、それ以外は無理(笑)」