8月11日は山の日です。登山客の救出などを行う「消防防災航空隊」に密着しました。

 神戸空港のとなりにある「兵庫県消防防災航空隊」。阪神・淡路大震災をきっかけに1996年に発足。2004年からは神戸市消防の航空隊と統合し、空から現場に駆けつけます。

 兵庫県の防災ヘリの役割は3つです。1つ目は火災現場での消火活動、2つ目は傷病者の救急搬送、そして3つ目が山や川の事故などでの救出活動です。
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 隊員の福田大輔さん(40)は、今年4月に南但消防から派遣されたばかりです。防災ヘリの確認作業の様子を見せてもらいました。まず取り掛かるのが…。

   (隊員)「ワイヤーダウン」
 (福田隊員)「傷なし」

 (福田隊員)「これに僕ら救助者や要救助者がぶらさがって活動するので、傷・ゆるみ・ずれがないかというのと、フックの作動がしっかりできているかを全部点検しています」
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 取材班が福田さんにインタビューをしていたところ…アナウンスが聞こえてきました。

 (福田隊員)「事案が入りました」

 この日は始業後すぐに林野火災の出動要請が入りました。放水中に機内が濡れないようにタオルを敷いて、すぐさま飛び立ちます。

 (隊員)「丹波篠山で林野火災山。山の中腹で煙が見えている。給水場所は鍔市ダム」
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 そして、この時期に増えてくるのが山岳救助の出動です。燃料に限りがあるヘリの救助は時間との勝負。だからこそ、日ごろから入念な訓練が必要となります。

 8月8日、宝塚の山奥で行われた訓練では、約8kgの装備をまとい、AEDなどが入った20kgのリュックを背負って地上に降り立ちます。そして、「エバックハーネス」という要救助者の体を支える機材を装着して救出するのです。
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 福田さんによりますと、救助される登山客は登山に慣れた人がほとんど。年々暑くなる気候により熱中症で体調が悪化して転倒してしまったり、道に迷ったりすることがあるそうです。

 (福田隊員)「兵庫県は北部は氷ノ山、神戸は六甲山。県内全域に登りやすい山が多くあるので、登山は楽しんでやっていただけたらいいと思います。もし登山中にちょっとでも『あれ、なんかおかしいな』と思ったら、時には引き返す勇気を持っていただいたら、楽しい思い出をつくることができるのではないかと思っています」