8月1日、京都や大阪で午後2時までに38℃以上を観測するなど、近畿各地で猛暑日が続いています。そんな中で熱中症が急増しています。

 東京都東村山市では7月29日から30日にかけて、それぞれ高齢の夫婦の計4人が死亡しているのが見つかりました。いずれも冷房は使われておらず、部屋はかなり暑い状態だったことがわかっています。

 消防庁によりますと、救急搬送された熱中症患者の半数近くが住居で発症しています。そして厚生労働省によりますと、熱中症による死亡者数の86%が高齢者なのです。

 自宅での暑さ対策について大阪市内で聞いてみました。

 「(Qクーラーつけてる?)もうつけっぱなし。消されへんもん。扇風機と両方」
 「ずっとつけてる。クーラーがなかったら死んでまう」

 多くの人が終日冷房をつけていると回答しました。一方でこんな人もいました。

 「全然クーラーつけていない。節約してるねん。(Q暑くないですか?)暑いよ」

 また、別の人は…。

 「(Q家でクーラーつけてる?)いいえ。(Qなぜ?)ないから。故障してる」

 エアコンが故障していると話したのは大阪市内で美容院を営む新岡貴美子さん(81)。扇風機だけの生活を送っています。取材班は新岡さんの店舗兼自宅を訪問させていただきました。まずは1階の店舗に入ります。

 (新岡貴美子さん)
 「冷房は去年故障した。買い替えないといけない。今さら40万円も50万円もするのをつけられないでしょう。これ(扇風機)をガンガンかけておけば、風がお客さんにもかかって私にもかかるでしょ」
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 そして1人で暮らす2階に上がると…。

(カメラマン)「お母さん、これは暑いですよ」
   (記者)「これは暑い…」
(カメラマン)「平気?」
 (新岡さん)「そう?暑いは暑いけど、苦しくはないよ」

 蒸し暑い部屋にあったのは小さな扇風機だけ。

 (新岡貴美子さん)
 「(Qクーラーは?)ここはあったけど取り外した。窓を開けたら涼しい風が入るときがある。じっと座ってたら汗がたらたら流れることはないですよ」

 うちわと扇風機だけで十分だと話しますが、新岡さんの額には汗がじわり。

 (記者) 
 「午後6時すぎで涼しいはずですが、室温は31℃です」

 熱中症の危険があることについては次のように話します。

 (新岡貴美子さん)
 「(熱中症の人は)クーラーがなかったと、つけてなかったというけれど、どないなったら熱中症になるのかようわからん。(Q今後もこの生活は変えない?)なんともないです」

 取材が終わるころには室温は33℃まで上昇していました。