京都アニメーション放火殺人事件から今年7月18日で4年が経ちます。

 7月18日の午前10時半、京都市伏見区の京都アニメーション第1スタジオの跡地で行われた追悼式。遺族や関係者ら約160人が参列し、京アニのスタッフと遺族が弔辞を読みました。

 (京都アニメーション 八田英明社長)
 「4年が過ぎようと何年が過ぎようと気持ちはいささかも変わらないですね。本当に優秀な仲間を一瞬にして失った悲しみというのは、これは癒えることではないです」

 4年前の2019年7月18日、京アニの第1スタジオがガソリンで放火され、社員36人が死亡、32人が重軽傷を負いました。事件では青葉真司被告(45)が殺人などの罪で起訴されています。

 事件で妻を失った夫と小学6年生の息子。京都府内で2人で暮らしています。

 妻の池田晶子さん(当時44)は、京都アニメーションで「涼宮ハルヒの憂鬱」などのキャラクターデザインを担当していました。

 【親子で料理をする様子】
 (晶子さんの夫)「こうしておいたらひっくり返しやすい」
 (息子)「うん」
 (晶子さんの夫)「なるべく斜めにして」

 4年が経ち、2人での生活にも徐々に慣れてきました。

 (息子)「料理は3年生か4年生くらいからかな」
 (晶子さんの夫)「ママ死んでから、お手伝いは何かしている」

 『少しでも前を向いて生きていこう』。そう寄り添いながら2人で歩んできた4年間。今は目標があります。

 (息子)
 「頑張って勉強して、人を助けられるような優しいお医者さんになりたい」

 7月2日、夫は京都府宇治市内にある大吉山展望台を訪れていました。晶子さんが作画を担当した「響け!ユーフォニアム」の聖地。家族でも何度か遊びに来た思い出の場所です。この日はファンの姿もありました。

 (晶子さんの夫)「『響け!ユーフォニアム』の何がおもしろかったですか?」
 (京アニのファン)「まず作画が良かったし」
 (晶子さんの夫)「作画が良かったんですか?それは一番喜びますわ。晶子が聞くと一番喜ぶわ。仕事のことだけは絶対妥協しなかった。えげつないくらい」

 晶子さんの“生きた証”を感じることができる場所で報告したいことがありました。

 (晶子さんの夫)
 「『子どもがもう大丈夫だよ』って。『これから何かあったとしてもこいつ(息子)はもう折れないし、自分でやっていきよるよ。だから安心しいや』と」

 事件から4年。青葉真司被告の裁判員裁判は今年9月に始まる予定ですが、夫の願いはひとつです。

 (晶子さんの夫)
 「青葉被告の気持ちと、『なんで』という部分をやっぱりじかに聞きたい。それをありのまま晶子にも報告せなあかんし、子どもにも説明してやらなあかん。子どもがいろんな意味でけじめをつけるためには、やっぱり裁判の結果は必要かなと」