暑くなると気になる『汗の不快なニオイ』。その実態を調べるべく、ニオイの研究を行っている会社で話を聞きました。さらに専門家にはニオイの発生メカニズムを聞きました。

 7月6日、気温33℃となった暑くなった大阪市で街を行き交う人たちに話を聞きました。夏の不快な汗のニオイ。みなさんの悩みですよね。

 (50代)「汗ジミができるからキャミソールばっかり。グレーの服を着ない」
 (30代)「電車とか人混みとか多いときにニオイが気になりますね」
 (70代)「自分のニオイってものすごくニオイが良くて気持ちいいんだけど人のは臭いな」

15年以上前から『ニオイ研究』行うマンダム

 大阪に本社を構える化粧品メーカーの「マンダム」。15年以上前から専門のチームを組んでニオイの研究を行っています。

 (マンダム広報部マネージャー 奥田志保さん)
 「ニオイは個人が好きで出しているものではないということもあったりですとか、それが故に悩みにつながっているところがあると思うんです。同じ汗のニオイといっても人によってニオイの種類が違う」

 マンダムの研究員が被験者の脇を直接鼻で嗅ぐ方法で調べたところ、日本人の脇のニオイは7つに分類できることがわかりました。そのニオイを再現したものをMBSの大吉洋平アナウンサーが嗅がせてもらいました。

 まず酸タイプを嗅いでみると…。

 (大吉アナ)「酸っぱい。結構酸っぱいニオイ。お漬物とか発酵しているようなニオイですかね」

 続いてはカレータイプ。

 (大吉アナ)「あーわかる。スパイシーですね。香辛料をいっぱい食べた後に汗かいたらこんな感じかな」

 そして汗のニオイに加えて発生する特別なニオイがあるのです。それは…。

 (大吉アナ)「あーきついです。でも、でも…これに近いニオイが枕からしているかも」
 (奥田さん)「まさに枕から出ているニオイ。後頭部に出やすいことがわかっています」
 (大吉アナ)「不快ですけど、僕は結構おなじみのニオイな感じがした」

 枕のニオイの原因にもなるミドル脂臭。30代40代の男性に多く発生します。

 さらに50代になると男女ともに現れるのが加齢臭です。

 (奥田さん)「このニオイ(加齢臭)で例えられるのが枯れ草のニオイとか畳っぽいニオイとか」
 (大吉アナ)「ミドル脂臭と加齢臭はニオイが全然違います」

 マンダムはなぜニオイの研究を進めているのでしょうか。

 (マンダム広報部マネージャー 奥田志保さん)
 「年々皆さん清潔感の意識が高まりつつあると思いますので、ニオイを分析して、そのニオイに適切に対処できるものはどういった方法があるのか、ということを研究して商品に反映させています」
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【マンダム研究員が分類した脇のニオイ7タイプ】
▼ミルクタイプ ▼酸タイプ ▼カレースパイスタイプ ▼カビタイプ ▼蒸し肉タイプ ▼生乾きタイプ ▼鉄タイプ

ニオイの専門家に聞く『自分で自分のニオイがわからない』のはナゼ?

 さらにニオイの発生メカニズムを専門家に聞きました。

 (東海大学 関根嘉香教授)
 「私たちの体の表面から微量のガスが発生しています。皮膚ガスと言うんですけども、このガスが鼻に届きますとニオイとして感じるということになります。人間の鼻は実は元々危険を察知するため、一番近くあるニオイに慣れておかないと危険が察知できない。ですので一番近くにある自分の体臭には鼻が慣れてしまって、なかなか自分ではニオイに気付かないということになります」

 関根先生は「これからの季節は特に加齢臭に注意が必要だ」と話します。

 (東海大学 関根嘉香教授)
 「汗は元々無臭なんですけども、これを放置しますとだんだんニオイ物質に変わってまいります。加齢臭というのは皮脂が酸化してできてくる成分なんですね。皮脂の酸化には実は紫外線が関わっていまして、紫外線を浴びると皮脂の酸化が促進されますので、そうすると加齢臭は臭いやすい」